関西日仏学館 建物竣工90年記念講演会
2027年に迎える関西日仏学館創立100周年を前に、2026年はその序章となる重要な年にあたります。
この機会に、今年築90年を迎える学館の建物に焦点を当て、その歴史と建設に至る背景をあらためて振り返ります。
最初の関西日仏学館は1927年、九条山の地に設立されました。これは、日本においてフランス政府が運営する初のフランス語教育・文化施設の誕生を意味していました。その数年後、より利便性が高く、京都大学に近い場所への移転を目的として、現在の左京区の敷地に新たな建物が建設されました。
この建物は、オーギュスト・ペレ建築事務所の一員であったレイモン・メストラレによって設計され、日本人建築家・木子七郎の監督のもとで建設されました。建築的な理想と強い外交的意図の双方を体現する建物です。
数年前に建設された独逸文化研究所のすぐ隣に建てられた関西日仏学館の建物は、両機関のあいだに建築的・象徴的な対話を生み出し、当時の日本において両者が果たそうとしていた文化的・政治的役割を示しています。1936年には東久邇宮臨席のもと落成式が行われ、この国際的な環境の中でフランスの存在感を明確に示しました。
この建物は、第二次世界大戦中に軍需工場として接収されるなど、歴史の影響を受けながらも、当初の意匠の大部分を今日まで保っています。現在でも京都に佇む優美な白い建築のひとつであり、日仏交流を象徴する場所となっています。
こうした背景を踏まえ、関西日仏学館では、この建物とその歴史に焦点を当てた講演会を開催します。歴史学的・建築学的視点を交差させながら、建設の経緯、その後の変遷、さらにこの特異な場所を形づくってきた文化的・政治的・美学的な課題について考えます。
フランスと日本双方の登壇者を迎える本講演会は、この歴史的遺産が今日なおどのように現代の実践にインスピレーションを与えているのかを考える対話の場ともなり、来る100周年記念に向けた準備の機会ともなるでしょう。
開催日:
2026年6月5日(金)
時間
17:30~(予定)
料金
無料
会場
関西日仏学館(京都)1階 稲畑ホール
参加方法
事前にご予約下さい(予約のためのリンクは後日、当ページに掲載します)
言語
日本語・フランス語 (逐次通訳付き)
立命館大学名誉教授 関西日仏学館およびヴィラ九条山元館長
ミッシェル・ワッセルマン
関西日仏学館(1986~1994年)およびヴィラ九条山(1992~1994年)の元館長、立命館大学名誉教授。
ポール・クローデルの日本滞在期(1921〜1927年)に関する数多くの著作を発表している。
京都大学 工学研究科 教授
田路 貴浩
1962年生まれ。京都大学教授。ルネサンス期フランスの建築設計理論を研究し、1996年に京都大学にて博士号を取得。加藤邦男教授のもとで、「積水化学工業京都技術センター」(1991年)および「ヴィラ九条山」(1992年)の設計に携わる。専門は建築思想およびランドスケープデザイン思想。著書に『イギリス風景庭園――水と緑と空の造形』(2000年)、『環境の解釈学――建築から風景へ』(2003年)。また、マルク・ブルディエとともに、ENSAPLV(パリ・ラ・ヴィレット国立高等建築学校)と京都大学による共同研究ワークショップ「Nature in City / City in Nature」(2028年)を企画。
建築家、フランス国立極東学院(EFEO)准教授、パリ・ラ・ヴィレット国立建築学校教員
ブノワ・ジャケ
建築家、フランス国立極東学院(EFEO)准教授、パリ・ラ・ヴィレット国立建築学校教員。1999年より京都大学で研究活動を行い、日本建築の理論と実践の歴史を専門とする。近年の主な著作として、『大工と建築家―日本木造建築史』(PPUR、2019年/英語版:EPFL Press、2021年)、『日本の未来建築―ユートピアとメタボリズム』(Le Lézard Noir、2020年)、『日本における居住空間の風景変容』(コレージュ・ド・フランス、2020年)、『生き物としての建築:o+h』(Arléa、2024年)、『伊東豊雄の内なる風景』(Arléa、2026年)、『Macniya―京都の町家建築』(Le Lézard Noir、2026年)。
※著書タイトルはフランス語原題をもとに和訳したものです