「フランス読書の秋2025」を写真で振り返る。
2025年、アンスティチュ・フランセ主催の文学フェスティバル「フランス読書の秋」は、第18回目の開催を迎え、現代フランスおよびフランス語圏における創作の豊かさと、多様な表現のかたちを紹介しました。
今年もフランス文化ネットワークが一丸となり、秋のひととき、本を通じた知的・文化的交流の場を日本各地で創出しました。
約2か月にわたり、下野市、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、北九州、福岡の8都市で、対談、ワークショップ、ライブドローイング、ラウンドテーブルなど多彩なプログラムを展開しました。大学、美術館、図書館、書店、文化施設、アンスティチュ・フランセやアリアンス・フランセーズなど、さまざまな会場を舞台に、家族連れ、学生、フランス語学習者、出版関係者など、幅広い来場者を迎えました。
2025年は、フランスの児童書イラストレーター、マックス・デュコスと、ベルギー出身のバンド・デシネ作家アリックス・ガランが、日本各地で読者と直接交流しました。さらに、フランスおよび日本から約30名の作家、イラストレーター、翻訳者、研究者が参加し、全国各地で特色ある文学イベントが開催されました。
関東
関東地方では、大都市ならではの密度をもったプログラムが展開されました。日本語版として初めて刊行された作品を携えたマックス・デュコスによる児童向け企画をはじめ、若い世代に向けた取り組みが大きな注目を集めました。
また、モード・アンカウアとクレリア・ゼルニックによる講演を通じて、翻訳文学・未翻訳文学を横断する文学と哲学の対話が生まれました。
漫画分野では、アリックス・ガランの来日とともに第1回「東京BDフェスティバル」が開催され、ライブドローイングやサイン会、漫画家との交流が実現しました。独立系書店から医科大学まで、多様な会場で行われた医師と文学研究者による対談などは、ジャンルを越えた表現への関心の高さを示しました。
中部
名古屋では、アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会創立45周年記念行事の一環として、祝祭的な雰囲気の中でフェスティバルが開催されました。
音楽やダンス、食文化に彩られた空間で、マックス・デュコスは子どもや学生を対象に、遊びと創造を軸とした参加型ワークショップを実施しました。
一方、名古屋外国語大学では、作者本人、翻訳者、日本の出版社による対談が行われ、フランス作品が日本で紹介される過程や、絵本制作・翻訳をめぐる舞台裏が紹介されました。
関西
関西地方では、地域に根ざした多様な会場を舞台にフェスティバルが展開されました。京都精華大学では、マックス・デュコスが美術・建築を学ぶ学生と対話を行い、その後、児童向けワークショップや書店での読者交流を行いました。
漫画分野では、アリックス・ガランが京都国際マンガミュージアムにて漫画家ニコ・ニコルソンと対談を行い、さらにフランスの漫画フェスティバルを象徴する形式であるライブドローイング公演を披露しました。
また、脚本家・人類学者のフレデリック・ジュリアンもプログラムに参加し、翻訳をテーマとした企画ではセシル・サカイが登壇しました。
さらに、1992年より京都に拠点を置くヴィラ九条山のレジデントである劇作家・俳優アガタ・シャルネは、展覧会と複数の関連企画を通して、滞在地との対話を深めました。
九州
九州地方では、文学の過去と現在をつなぐプログラムが展開されました。
アナトール・フランスをテーマにした文学カフェでは、古典作品を現代的な視点から再読しました。漫画分野では、アリックス・ガランが西南学院大学の学生や北九州市漫画ミュージアムの来館者と交流しました。
また、シリル・コピーニの参加により、漫画翻訳をめぐる現在の課題が議論され、フランスと日本の創作現場を結ぶ活発な交流が示されました。
パートナーの皆様へ
本フェスティバルは、日本各地の多くのパートナーのご協力によって実現しました。フランス文化ネットワーク内での連携や、日本の大学・文化機関との協働により、多様な観客と持続的な対話の場を築くことができました。
アンスティチュ・フランセは、笹川日仏財団および出版文化産業振興財団に、継続的なご支援への深い感謝を表します。
あわせて、以下のパートナーの皆様に心より御礼申し上げます。
千鳥文化、筑摩書房、太郎次郎社エディタス、講談社、株式会社シュークリーム、名古屋外国語大学出版会、MOE(雑誌)、絵本ラウンジLOOP なかの、書肆喫茶mori、恵文社一乗寺店、紀伊國屋書店、本屋 象の旅、ニジノ絵本屋2号店、レシャピートル書店、メゾン・プティ・ルナール書店、大垣書店 二条駅店、Passage Rive Gauche書店、板橋区立美術館、京都国際マンガミュージアム、北九州市漫画ミュージアム、中之島こども本の森、名古屋外国語大学、京都産業大学、京都精華大学、自治医科大学、西南学院大学、ワロン=ブリュッセル国際機構。