近所で樹齢100年の木が伐採されようとしている。あなたの地域の水道が民営化されようとしている。隣町に原子力発電所が建設されようとしている……あなたは賛成ですか、反対ですか?この3つのプロジェクトについて、農家や金融業者の立場から、カードゲームをしながら議論してみませんか?
さまざまな議論を参加者に促すこのカードゲームを作るきっかけとなった経緯を、オリヴィエ・デュビュコワが紹介します。
【6月1日のプログラム】第11回「哲学の夕べ」― Agir pour le vivant 生きものとともに

日程
2025年5月30日(金)~6月1日(日)
展覧会は5月23日(金)~6月15日(日)
会場
ご予約
PEATIX ※5月13日(火)12時より発売開始
・5/30のプログラム
・5/31のプログラム
・6/1のプログラム
料理パフォーマンスの予約はこちらから
お問合せ
03-5206-2500(東京日仏学院)
6月1日(日)のプログラム
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10時〜11時30分:講演会とワークショップ「議論すべき領域」 講師:オリヴィエ・デュビュコワ
会場:カンファレンスルーム(F111/F112)
(逐次通訳付)
料金:500円 予約(PEATIX)

登壇者
オリヴィエ・デュビュコワ

作家、映画監督、地理学博士。環境汚染産業に対する抗議運動で数々の成功を収める。赤泥公害を告発した映画『Zone Rouge』を共同監督し、国際ドキュメンタリー映画祭「FIGRA」で審査員特別賞を受賞。国際的に放映された最新作『不屈の人々(Irréductibles)』は、成果を出した市民の抵抗を感動的に描いている。現在、2026年出版予定の2冊のグラフィック・ノベルを執筆中。

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10時30分〜11時45分:上映「Moving Earths」
作:フレデリック・アイ=トゥアティ、ブルーノ・ラトゥール
会場:エスパス・イマージュ
(同時通訳付)
料金:1,000円 予約(PEATIX)

「Moving Earths」
(2019年/フランス/75分/カラー/デジタル)
フレデリック・アイ=トゥアティとブルーノ・ラトゥール共作のレクチャー・パフォーマンスの記録上映。
地球から月へ、そして月から地球へ。天文革命の時代と現代がパラレルであるという仮説を検証する。私たちは今、ガリレオの時代のような深遠で急進的な世界変革の只中にいるのだろうか?ひとつ確かなことは、私たちはもはや自分たちが住んでいる惑星が何なのか、それをどう表現すればいいのか、正確にはわからないということだ。私たちの目の前には、安定したひとつの地球ではなく複数の地球があり、どの地球に降り立つべきかを知るために、探索しなければならない。
同時通訳:平野暁人
© Zone Critique
アーティスト
フレデリック・アイ=トゥアティ

演出家、科学史家。フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員として、科学、芸術、政治の関係性に関心を持つ。著書に「Contes de la Lune」(2011)、「Terra Forma」(2019)、「Trilogie Terrestre」(2022)、「Théâtres du monde」(2024)等がある。ナンテール=アマンディエ劇場、ベルリン芸術祭、ニューヨークCrossing the Linesフェスティバル、ブリュッセル・カイテアター、マルセイユ国立劇場ラ・クリエ、ポンピドゥー・センター、オデオン劇場で作品を上演。シャイヨー国立劇場のレジデント・アーティスト、トゥール国立劇場のアソシエート・アーティスト。

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12時〜14時:料理パフォーマンス~ランチ・ビュッフェ「つつんで、はさんで、むすんで」
アーティスト:ソウダルア、太田旭
会場:中庭テラス
料金:2,500円 予約(PEATIX)
※申込期限5/28(水)11:00

日本の季節の素材、そしてフランスをはじめとしたさまざまな国の料理を、和紙の上にソースとともに並べ「描き出す」ことで食卓が作られていきます。お米やパンでつつんで、はさんで、むすんで召し上がっていただきます。「水」、そして水により育まれる「土」、そこから生まれる素材。国境や文化を越えてつながるオリジナルの精進料理をお楽しみください。
協力:増田園
国際栄養士
太田旭

一般社団法人オルスタ代表理事、国際栄養士。日本を拠点にアフリカ・アジア・中南米で活動。文化や価値観、地域性を考慮した 「豊かさ」の探求や共創を行うほか、教育機関や臨床機関との共同研究 政府や国連機関との社会実装、政策提言を行う。2019年(一社)オルスタを設立し代表理事に、2020年太陽グループ(株)社長室のサステイナブル関連事業を担当、2022年ヘルスケア領域における若手支援プログラムVisionHackerAssociation総括、2023年公益財団法人葉田財団理事、子どもの未来助成事業選考委員に就任。2024年に『異文化に身を置くすべての人へ ~国際栄養士のノート~』を出版。

料理人
ソウダルア

出張料理人、現代美食家。全国でその土地の素材のみを扱い、風土と歴史が交差する料理を和紙の上に表現する。また芸術祭でのレストランプロデュース、食による地方創生、フードエッセイの連載、 映画出演など活動は多岐にわたる。大地の芸術祭 (2015)、瀬戸内国際芸術祭(2016)、映画『もったいないキッチン』出演(2020)、東京・麻布にて7ヵ月の食とアートの実験場 Seven主宰( 2021)、 2023年に墨田区京島でアートセンター トリップ立ち上げ、 ウクライナでのドキュメンタリー映画製作、2024年東京ビエンナーレ出演、すみだ向島EXPOのコンセプターに就任、映像作品『香川県 父母ケ浜 2018〈春、海、夕日〉』(2023)など。

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12時/13時20分:ダンス・パフォーマンス
アーティスト:小暮香帆
会場:中庭、他
無料
中庭を囲む敷地内を巡り、環境的要素に呼応しながら繰り広げられる即興のダンス・パフォーマンス。
(パフォーマンスはそれぞれ15分程度を予定しています)
ダンス
小暮香帆

ダンサー、振付家。6歳より踊り始める。舞台、音楽フェス、メディアなど様々な領域で動きの美学を展開。即興から身体への新たなアプローチを探り、振り付け、表現する。ソロでは3カ国9都市で作品を発表。振付・演出家作品への出演や海外ツアーへの参加多数。近年ではFESTIVAL De FRUE2024、映画、CM、MVへの振り付け出演、写真展 「second hand」、”beautiful people 2023 S/S” パリコレクションへの出演、またワークショップの講師も務める。
© Yuka Uesawa

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14時〜15時30分:鼎談「コモンズとしての社会」
登壇者:卯城竜太、フレデリック・アイ=トゥアティ 進行:四方幸子
会場:エスパス・イマージュ
(同時通訳付)
料金:500円 予約(PEATIX)

科学技術の発展と普及は、便利で効率的な生活を私たちにもたらしました。しかしその一方で、環境破壊や社会格差、人々の分断がかつてないほど進行しています。本セッションでは、人間だけでなく人間以外も含めた「コモンズ」の視点から、民主主義の可能性を検討します。加えて本フェスティバルの基層である「水」をコモンズを象徴し拡張するものとして取り上げます。
© Chim↑Pom
登壇者
卯城竜太

アーティストコレクティブChim↑Pom from Smappa!Groupのメンバー。2005年に東京で結成。社会問題やそのシステムに対して独特な視点から現代のリアルを提示、都市論などを展開する。国際的に活動を展開し、各国の国際展、ビエンナーレに参加。グッゲンハイム美術館、ポンピドゥセンターなどにコレクションされ、アジアを代表するコレクティブとして活動を展開中。個人としては新宿のスペースWHITEHOUSEの運営や、歌舞伎町アートセンター構想委員会の他、秘匿性の高い展覧会「ダークアンデパンダン」のディレクション、執筆などを手掛けている。主著に『活動芸術論』(2022)など。
© Minami Asami

登壇者
フレデリック・アイ=トゥアティ

演出家、科学史家。フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員として、科学、芸術、政治の関係性に関心を持つ。著書に「Contes de la Lune」(2011)、「Terra Forma」(2019)、「Trilogie Terrestre」(2022)、「Théâtres du monde」(2024)等がある。ナンテール=アマンディエ劇場、ベルリン芸術祭、ニューヨークCrossing the Linesフェスティバル、ブリュッセル・カイテアター、マルセイユ国立劇場ラ・クリエ、ポンピドゥー・センター、オデオン劇場で作品を上演。シャイヨー国立劇場のレジデント・アーティスト、トゥール国立劇場のアソシエート・アーティスト。

進行
四方幸子

キュレーター、批評家。十和田市現代美術館館長、美術評論家連盟会長、「対話と創造の森」アーティスティックディレクター。多摩美術大学・東京造形大学客員教授、武蔵野美術大学・情報科学芸術大学院大学(IAMAS)・京都芸術大学非常勤講師。「情報フロー」というアプローチから諸領域を横断する活動を展開。1990年代よりキヤノン・アートラボ)、森美術館、NTT ICC(いずれもキュレーター)と並行し、インディペンデントで先進的な展覧会やプロジェクトを多く実現。国内外の審査員を歴任。著書に『エコゾフィック・アート 自然・精神・社会をつなぐアート論』(2023)、共著多数。
© Kenshu Shintsubo

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16時30分〜18時:鼎談「科学を超える”科学”へ」
登壇者:ドミニク・チェン、アレクサンドル・モナン 進行:原島大輔
会場:エスパス・イマージュ
(同時通訳付)
料金:500円 予約(PEATIX)

科学は、人々の便利で豊かな生活のために近代以降飛躍的な進展を遂げました。しかし今世紀に生まれた「人新世」という状況に顕著なように、科学はもはや万能ではなく、憂慮すべき状況を人間や人間以外の存在にもたらしています。現在「科学」と呼ばれるものは西洋近代そして資本主義を基盤にしたものであり、見渡せば異なる地域や時代において、さまざまなかたちの科学が営まれていました。本セッションでは、日本や東アジアの叡智を紹介しながら科学の多様性について検討します。
© Aichi Triennale 2019
登壇者(オンライン)
アレクサンドル・モナン

パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)で哲学の博士号を取得。ESCクレルモンビジネススクールでリヨンのデザイン学校Strateと共同で「人新世のための戦略とデザイン」修士課程を指導し、「シフト・プロジェクト」に携わる。ウェブの哲学に関する論文を執筆後、エコロジカル・リダイレクト運動を共同で立ち上げる。最新の著書では「放棄の政治学」について考察している。その他著書に「スマートフォンのエコロジー」や「Héritage et fermeture(遺産と終結:解体のエコロジー) 」等がある。
© Dorian Prost

登壇者
ドミニク・チェン

博士(学際情報学/東京大学)。NTT ICC研究員、(株)ディヴィデュアル共同創業者を経て早稲田大学文学学術院教授。UCLA卒業後、NPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(現・コモンスフィア)を設立。「トランスレーションズ展―「わかりあえなさ」をわかりあおう」(21_21 DESIGN SIGHT、2020/2021)展示ディレクター、グッドデザイン賞審査員、糠床発酵ロボット「Nukabot」研究開発、遺言執筆プロセスを集めたインスタレーション「Last Words / TypeTrace」(遠藤拓己とのdividual inc. 名義)などを通じ、テクノロジーと人間、自然存在の関係性を研究。
© Rakutaro Ogiwara

進行
原島大輔

基礎情報学、表象文化論。立教大学現代心理学部映像身体学科助教。共著にCybernetics for the 21st Century vol. 1 (2024)、『未来社会と「意味」の境界』(2023)、『メディア論の冒険者たち』(2023)、『クリティカル・ワード メディア論』(2021)、『AI時代の「自律性」』(2019)、『基礎情報学のフロンティア』(2018)など。『美術手帖』『思想』『現代思想』、『ユリイカ』などに論考を寄稿。訳書にユク・ホイ『再帰性と偶然性』(2022)、ティム・インゴルド『生きていること』(2021)。

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18時〜19時:クロージング・カンバセーション「新たなエコゾフィーに向けて」
会場:エスパス・イマージュ
(同時通訳付)
入場無料・予約不要
豊かな討論とアートイベントに満ちた3日間のフェスティバルの締めくくりとして、プログラム・キュレーターの四方幸子と、フランスの「Agir pour le vivant」フェスティバルのカタリナ・メサ、アガタ・ルディエを迎え、クロージングトークを行います。