ロリータファッション – フランスの遺産と日本の女性の反抗の手段 | アニエス・ジアール氏(人類学者)による講演
フランスでは、しばしば日本を人形のような女性のイメージと結びつける根強い偏見があります。奇妙な運命の皮肉によって、この偏見は、フランス文化の借用から発展した革命を背景として生まれました。女性解放運動を経て、確かに日本女性は自由を得るようになりましたが、それは、フランスが自由の国であるという、多かれ少なかれ虚構のイメージを、作品を通して流布することに貢献したクリエイターや思想家たちの影響を受けたものでした。日本の大衆文化において人形の美学が形成されているのは、こうした幻想に呼応しているのです。1960年代から現代まで、リカちゃん人形から関節人形、ゴシック・ロリータまで、この美学の登場と変遷をたどりながら、人類学者アニエス・ジアール氏が、ステレオタイプの生まれる戦略的な場としての、そして、異文化間の媒介の両義的なツールとしての人形を分析します。講演後には、甲南女子大学より、女子学(ファッション文化論・化粧文化論・雑誌文化論)の専門家である米澤泉氏(人間科学部 文化社会学科 教授)とメディア文化論の専門家である馬場伸彦氏(文学部メディア表現学科 教授)を迎えて対談を行います。
日程
2024年11月19日(火)
時間
13:25 – 15:10
会場
甲南女子大学 (〒658-0001 神戸市東灘区森北町6-2-23)9号館1階 912教室
言語
フランス語 (日本語通訳付き)
予約方法
入場無料、要予約。お申し込みはPeatix、または学館の受付にて。
©Karym Bagoee
アニエス・ジアール氏
フランスのパリ·ナンテール大学の人類学者。ヴィラ九条山2010年度レジデント。
日刊紙 Liberation では恋愛の人類学に関する週刊コラムを担当している。現在の研究テーマは、「現代日本における、恋愛·結婚や二次元カウンターカルチャー」。著書『愛の日本史』(2018) 『エロティック·ジャポン』(2011)他多数。「二次元カウンターカルチャー」に関する書籍プロジェクトある。
米澤泉氏
甲南女子大学人間科学部文化社会学科教授
専門は女子学(ファッション文化論、化粧文化論、雑誌文化論)。ファッション、メイク、女性誌といった「女子カルチャー」から社会を分析。『小泉今日子と岡崎京子』『おしゃれ嫌い-私たちがユニクロを選ぶ本当の理由』『「女子」の誕生』『コスメの時代』など著書多数。日本顔学会理事、化粧文化研究者ネットワーク世話人、乳房文化研究会事務局長、日本のカワイイ文化を世界に発信するクールジャパン官民有識者会議委員も務めた。
馬場伸彦氏
甲南女子大学文学部メディア表現学科教授
1958年生まれ、名古屋大学大学院博士後期課程単位取得満期退学、メディア文化論、写真論、地下アイドル論。主な著書に『周縁のモダニズム』人間社1997年、『ロボットの文化誌』森話社2004年、『奥行きをなくした顔の時代』晃洋書房2021年など。
主催
関西日仏学館
共催
甲南女子大学 メディア表現学科クリエイターズフォーラム
協賛
笹川日仏財団
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