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「哲学の夕べ」- 客体・物・身体

「哲学の夕べ」- 客体・物・身体

日程

2013年5月31日(金)

時間

15時~23時30分

会場

東京日仏学院

入場

無料

アンスティチュ・フランセ東京は、哲学をめぐる新しいイベント、『哲学の夕べ』を開催します。記念すべき第一回は、様々な角度から哲学にアプローチします。旅するスーツケース、音楽的彫刻、再生する静物、脱線してゆく対話など、多彩なモチーフを通して「哲学」する一夜。パフォーマンス、朗読会、コンサート、上映会など、様々なジャンルの企画が盛りだくさんの催しです。この新感覚の一夜で、「哲学」を(再)発見しましょう!

 

  

プログラム

 

 

  • 15:0018:15|映画上映&対談Dieu sait quoi(神のみぞ知る)』(ジャン=ダニエル・ポレ/1994年/96分)
    会場:エスパス・イマージュ

ジャン=ダニエル・ポレ監督の作品上映と、廣瀬純×ディディエ・フランクによる対談を行います。
対談は上映後17時頃より(使用言語:フランス語/同時通訳付)

ジャン=ダニエル・ポレは取るに足らない物をフィルムに収める。瓶や小石を、あるいは詩人フランシス・ポンジュの写真が飾られている、南仏にある家の室内を。ギリシャなどで撮影されたポレ自身の古い映画が映し出されているテレビの画面を。フランシス・ポンジュの詩を朗読するマイケル・ロンズデールの声が流れる。

 

  • 18:0020:00|オリヴィエ・マセによる哲学のアトリエ:「物」をめぐって
    会場:メディアテーク(使用言語:フランス語/通訳なし)

杖、または箸、ペン、あるいはフォーク。我々は「物」を介して世界との繋がりを持つ。もしかすると世界が我々を、「物」を介して捕らえているのだろうか。その「物」が原始的であっても、洗練されていても、「物」の持つ意味について疑問を抱くことはほとんどありません。皆さんと対話しながら、こうした思考する時間を共有するアトリエです。

 

  • 18:3018:50|パフォーマンス:『ジャパニーズ・スーツケース』
    会場:(雨天屋内)
    ゲストにシンガーソングライターのタテタカコを迎えます。


  • 19:0020:00|星野太による講演会「生成と消滅の秩序――事物の生について」
    会場:エスパス・イマージュ(使用言語:日本語/通訳なし/フランス語の解説をお配りします)

 

芸術作品を含めた広義の「事物」には、それぞれに固有の生成と消滅の秩序が存在する。この講演では、ジョージ・クブラーの『時のかたち』(1962)に代表される〈事物の時間性をめぐる考察〉と、ボリス・グロイスの『芸術のトポロジー』(2003)に代表される〈生政治時代の芸術をめぐる考察〉が批判的に再考されることになるだろう。

 

  • 19:0020:00|ライブ・ドローイング:藤田龍平&西原尚(音)『I meet heart in drawing
    会場:屋外

地面に絵を描こう、ライバルはナスカの地上絵です。
友達はラクガキ小僧です。先生は畑のお百姓さんです。
トンビの引く曲線に嫉妬します。文字はバラバラにしてやる。
芝生が伸びる頃ですね、アスファルトは熱いかな?
雨が降っても楽しもう。

人が描いてきた様々な文様を眺めては、
ワタシの身体の危機を感じている。
植物や動物や昆虫、水や雲の流れ、炎や星の輝き。
野良仕事や、水汲み、雑巾掛けに、ハタキガケ、
そういったモノコトと解離した生活を「不幸」と思いたい。
下手をしたら、思わない。恐ろしい。

 

  • 20:0020:30|ライブ:クリストフ・シャルル 『Sculpture musicale

晩年、ジョン・ケージがドローン(持続音)を好み、マルセル・デュシャンの『Sculpture Musicale』をしばしば参照していました。1913年頃、デュシャンは音楽が時間芸術ではなく空間芸術だと考え、『Sculpture Musicale = 音楽的彫刻』という作品を提案しています。「様々な音が様々な箇所から流れ、音響的彫刻を形成し、残存する」という内容です。

 

  • 20:4521:30|対談:ベンジャマン・エフラティ 「物のいのち」をめぐる対談
    会場:エスパス・イマージュ

哲学のための実験的な演習の場として、ベンジャマン・エフラティが「物」をめぐる公演を行います。「物」にはかたちがありますが、はたして思考しているのでしょうか? 我々が日常的に使用している「言語」だけでは言い表すことができない、哲学的思考や表現を模索してゆきます。言語以外にどんな媒体を用いて哲学的思考を形象化するのでしょうか。

 

 

 

 

  • 5/31|西原尚&藤田龍平によるインスタレーション
    展示:螺旋階段

 

  • 5/316/22|インスタレーション:小牧栞奈 『グノシエンヌNo.1
    展示:ギャラリー

 

サティの同名の楽曲をアナリーゼ(楽曲分析)し、曲を構成する要素を目に見えるオブジェに置き換えて一つの装置として展開したインスタレーション。

 

  • インスタレーション:Usual Objects – ZEVS
    会場:屋外

フランスを代表するストリートアーティストの一人。「ゼウス」の名は、轢かれそうになった電車の名前が由来。90年代初めにパリで活動を始め、90年代後半には、AndréやINVADERなどと共にフランスのストリートアートのパイオニアの一人となる。「ボミング」という独自のスタイルで、有名ブランドや企業の広告やビルボードを手がける。
協力:The Container ギャラリー

 

 

主催: アンスティチュ・フランセ東京
協力: 武蔵野美術大学/The Container/おちゃらか/全日本空輸株式会社

 

ゲストプロファイル

ジャン=ダニエル・ポレ Jean-Daniel Pollet

フランスの映画監督・脚本家。エリック・ロメール、ジャン=リュック・ゴダールらと製作したオムニバス映画『パリところどころ』の第一話「サンドニ街」によって知られる。

廣瀬純 Jun Fujita Hirose

1971年、東京生まれ。映画批評、現代思想。龍谷大学経営学部准教授。アンスティチュ・フランセ東京にて映画の授業を担当。著書に『絶望論』(月曜社2013年)、『蜂起とともに愛がはじまる』(河出書房新社2012年)、『シネキャピタル』(洛北出版2009年)、『闘争のアサンブレア』(月曜社2009年、Colectivo Situacionesとの共著)、『闘争の最小回路』(人文書院2006年)、『美味しい料理の哲学』(河出書房新社2005年)などがある。

ディディエ・フランク Didier Franck

1947年生まれ、フランスの哲学者。パリ第10大学教授。高等師範学校でも教鞭を執る。ミニュイ社から刊行されている学術誌とコレクション『Philosophie』の創始者。ドイツ現代哲学史を専門とし、主にニーチェ、フッサール、ハイデッガーに関する著書を持つ。

オリヴィエ・マセ Olivier Massé

パリ第1大学の博士課程で哲学を専攻後、比較文化に興味を持つ。現在は外国語教育を専門とし、かつてアンスティチュ・フランセ東京にて哲学の授業を担当。

星野太 Futoshi Hoshino

1983年生まれ。専攻は美学、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科附属・共生のための国際哲学研究センター(UTCP)特任助教。共著に『人文学と制度』(西山雄二編、未來社、2013年)など。その他、現代美術に関わる著作として、『奥村雄樹――ジュン・ヤン』(単著、美学出版、2013年)、『拡張される網膜』(編著、BAMBA BOOKS、2012年)などがある。

藤田龍平 Ryuhei Fujita

美術作家。1979年、京都生まれ。横須賀在住。東京藝術大学先端芸術表現科学部卒業。2010年、初めての個展「絵をかざるのでの心」を開催。 同年、昭和8年から74年間に渡り、日本のジャズ界に多大な影響を与えたジャズ喫茶「ちぐさ」の再現プロジェクト、「野毛にちぐさがあった」の工作を担当。その他、2012年、韓国のカヤゴ (韓国伝統琴) 演奏家、ハン・テラのリサイタル公演に参加し、パフォーマンスを行うなど、ジャンルを超えた活動を行うアーティスト。

クリストフ・シャルル Christophe Charles

1964年フランス生まれ。1996年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。2000年より武蔵野美 術大学映像学科准教授。2011年より教授。環 境芸術学会理事。メディアアートを専門に、現代芸術における理論的・歴史 的な研究を行いながら、内外空間を問わずインスタレーション及びコンサー トを行い、それぞれの要素のバランス、独立性及び相互浸透を追求している。

ベンジャマン・エフラティ Benjamin Efrati

1985年生まれ。哲学修士号を取得後、パリのエコール・デ・ボザールで学ぶ。パフォーマンスをインターネット上で公開するアーティスト。テレビ局ARTEのサイト、ARTE Creativeで公開された『Young marble giants』、パリ造幣局美術館にて制作された『De l’économie poëtique à la significatogénèse』など。

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