映画上映:サオダット・イズマイロボ『18,000の世界』ほか(シアターコモンズ ’24)
シアターコモンズ ’24 とアンスティチュ・フランセは協働し、ウズベキスタン出身、フランス在住の映像作家・アーティスト、サオダット・イズマイロボの近年の代表作5作品を、日本語字幕付きで紹介します。
サオダット・イズマイロボは、2022年ヴェネチア・ビエンナーレおよびドクメンタ15に出展、2023年にはアムステルダムのEye Film Museumで個展を開催するなど、世界中で大きな注目を集めています。
彼女のカメラが捉えるのは、ウズベキスタンの砂漠や古代遺跡、過去と現在のイスラーム世界の都市と人々、動物たち、旧ソ連時代に建設された建物群など、ウズベキスタンの風景そのものです。その中で、中央アジアに伝わる神話や民話、儀式や風習が、世代を超えた女性たちによって静かに語られ、演じられていきます。そこでは現実と異世界の境界が曖昧になり、集団的な記憶が立ち現れては消え、圧倒的な映像美が見るものを誘います。
1930年代のウズベキスタンの無声映画やソ連時代のプロパガンダ映画をコラージュした『彼女の権利』、イスラーム神秘主義の宇宙観から着想を得た2023年の最新作『18,000の世界』、ドクメンタで話題を集めた中央アジアのシンデレラ物語『ビビ・セシャンべ』など、私たちを異世界へと誘う作品群は、見るものの網膜と脳内に静かな革命をもたらすでしょう。
映像作家・アーティスト
サオダット・イズマイロボ
タシケントとパリを拠点に活動。タシケント国立芸術学院とフランスのル・フレノワで学ぶ。ポスト・ソビエト時代に誕生した中央アジアのアーティスト第一世代の重要な発言者として知られる。2004年に発表したドキュメンタリー映画『アラル。Fishing in an Invisible Sea』(カルロス・カサスと共に制作)はトリノ映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。シネファウンデーションの支援を受けた長編映画『沈黙の40日』(2014)はベルリン国際映画祭でプレミア上映され、カンヌ国際映画祭に出品。2013年のヴェネチア・ビエンナーレで初のビデオインスタレーションを発表し、2022年には同芸術祭のメイン展示「The Milk of Dreams」に作品が選出された。ドクメンタ15(2022)では、中央アジアのアーティスト・コレクティブ「ダヴラ」を立ち上げた。イズマイロボの作品は、ポンピドゥー・センター、アムステルダム・ステデライク美術館、アルマトイ近代美術館などに収蔵されている。
© Rinat Karimov
日時
3月1日(金)18時30分
3月2日(土)11時/15時30分 *アーティスト・トーク(13時30分〜15時)
3月3日(日)11時/14時
3月9日(土)14時/17時
3月10日(日)11時/14時
上演時間
約150分
会場
東京日仏学院|エスパス・イマージュ
〒162-8415 新宿区市谷船河原町15
チケット
一般|1,000円
*全席自由席
予約・詳細
主催
シアターコモンズ実行委員会