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第4回「哲学の夕べ」 - フィクション

第4回「哲学の夕べ」 - フィクション

日程

2016年5月28日(土)

時間

14時~23時

会場

東京日仏学院

入場

無料

第4回目となる今年は「フィクション」をテーマに、哲学や語り、リアリティと物語、思考のシステムとフィクションの構造との関係性について考えを巡らせます。哲学はフィクションとどのような関係を結んでいるのでしょうか?またフィクションは哲学において、いかなる痕跡を残しているのでしょうか?

 

アンスティチュ・フランセ東京の敷地内を回遊しながらお楽しみいただけるよう、講演会、アトリエ、コンサート、パフォーマンス、展覧会など、多様な企画をご用意しています。またラ・ブラスリーでは、知的な演出をご堪能いただけるスペシャル・ディナーもございます。

 

「哲学の夕べ」で、あなたの哲学に対する見方が変わるかもしれません。哲学をぜひ一緒に(再)発見しましょう!

プログラム


講演会

 

  • 國分功一郎「再び、想像力について想像力は他者を通じて生成するということ」
    14時~15 エスパス・イマージュ

    (使用言語:日本語)

 

いま「想像力」という言葉はかつてそれが有していた輝きを失っている。だが、この言葉にその輝きを与えていた理由は本当に失効してしまったのだろうか。ジル・ドゥルーズは想像力を他者の問題として考えたが、そこから導き出される実に魅力的な政治的ビジョン──〈知覚の政治〉とでも呼べるそれ──は今こそ検討されるに値すものである。ドゥルーズの無人島論、そしてDVD『アベセデール』で語られた左派論をもとに、今日における想像力の政治的意味について考えてみたい。

國分功一郎

1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、高崎経済大学経済学部准教授。著書に『暇と退屈の倫理学』など。

  • 星野太「虚構としての芸術/政治」
    1530分~1630  エスパス・イマージュ

    (使用言語:日本語)

 

芸術と政治は「虚構」としてのみ存在する。ただしそれは、現実に対して無力なものとしての虚構ではない。それらはむしろ、現実的なものを変革するものとしての地位をもつ、二つの虚構の形式にほかならない。今日の芸術と政治は、むしろそれ本来の「虚構」としての力を失いつつあるのではないか――そのような問いから出発しつつ、フィリップ・ラクー=ラバルトやジャック・ランシエールの政治哲学とともに、現代の「政治的芸術」のパラドクスについて考察する。

星野太

1983 年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、金沢美術工芸大学講師。編著に『The Sublime and the Uncanny』(UTCP, 2016年)など。 

  • ティエリー・オケ「サイボーグ、他:ポストヒューマンの類型学」
    17時~18  エスパス・イマージュ
    (同時通訳付き)

 

「本講演では、サイボーグ、ロボット、ミュータントなど、ポストヒューマン(あるいはアンドロイド)の特徴を分析し、各キャラクターの哲学的役割を明らかにします。彼らが登場するフィクションにおいて、どのような哲学的問題が提示されているでしょうか?」

ティエリー・オケ

哲学者、生物学とジェンダー研究の専門家。著書に『Cyborg Philosophie』(Le Seuil 社, 2011 年)がある。 

  • ピエール・ファシュラ「「サイエンス(・フィクション)の哲学」
    1830分~1930  エスパス・イマージュ
    (同時通訳付き)

 

科学や技術の未来の発展について、サイエンス・フィクションが私たちに教えてくれるものは何だろう?また、サイエンス・フィクションが私たちに何かを教えてくれると確信しているのはどうしてだろう?サイエンス・フィクションがある意味で私たちに様々な可能性を提示しているという考えの中に、その答えはあるかもしれない。しかし、それはどのような意味においてだろうか?本当らしいことと可能性のありそうなことは別物で、望ましいことはさらにまた別のことである―それならば、サイエンス・フィクションに私たちが期待することとは何だろう?

ピエール・ファシュラ

パリ第一大学哲学博士、パリ第一大学現代哲学センター研究員。

  • ラウンド・テーブル
    登壇者:國分功一郎、星野太、ティエリー・オケ、ピエール・ファシュラ
    1930分~21  エスパス・イマージュ

    (同時通訳付き)

哲学のアトリエ

 

  • トリスタン・ブリュネ「フィクションの科学」
    16時~1730  メディアテーク

    (使用言語:日本語・フランス語)

 

西洋におけるフィクションの決まりごとでは、現実を模倣することが、物語を効率的に語ることの第一条件の一つだと、アリストテレスの時代から受け継がれてきました。しかし今日ではそれとは逆に、フィクションこそが、現実を把握するための新たな戦略のますます重要な源であるように見受けられます。このアトリエでは、フィクションと歴史の複雑な関係を通して、フィクションとリアリティとの関係性について問いかけます。

展覧会

 

  • ジュリー・ステファン・チェンとトマ・ポンスによる展覧会「裏窓」
    526日(木)~619日(日)  ギャラリー

 

ジュリー・ステファン・チェンとトマ・ポンスによる本展は、紙を媒体とする拡張現実(AR)の技術を駆使した、鑑賞者が回遊しながら楽しめる展覧会です。タブレットをかざすと出現する、幻想的で夢のような世界に鑑賞者は入り込むことができます。
ヴァーチャル・コンテンツと、日本での生活からインスパイアされたコンテンツが詰まった様々な窓たち。ジュリーとトマの、現実とヴァーチャルの結合に関する研究と、ヴィラ九条山で行うプロジェクトが融合した展覧会。

 

協力:ヴィラ九条山MTRL

ジュリー・ステファン・チェン&トマ・ポンス

グラフィック・デザイナーのジュリー・ステフェン・チェンとアニメーション映画作家のトマ・ポンス。現在、ヴィラ九条山にてレジデンス制作を行っている。

子どものためのアトリエ

  • 創作アトリエ
    11時~12  メディアテーク

    (使用言語:フランス語、日本語通訳付き)
    参加費:1,000円
    対象:5歳以上

参加者には、窓のイラストが描いてあるステッカーをお渡しします。この窓は、専用のAR アプリをインストールしたタブレットをかざすと動きだします。自由にイラストを描いたり、専用の色紙の仕掛けを使って楽しく遊びましょう。
講師:ジュリー・ステファン・チェン&トマ・ポンス

 


パフォーマンス

  • 快快『ウェルカムチキュージン』
    14
    / 1530 / 19  屋外、他

  

  • ジョアン・スワルトヴァゲール『山の向こうに』
    1730 / 屋外テラス

 

サーカス・アーティストのジョアン・スワルトヴァゲールと、ジャンルの異なる複数の日本人パフォーマーたちとの出会いとコラボレーションによって生まれたパフォーマンス作品。アレハンドロ・ホドロフスキーの世界観にインスピレーションを得て、各パフォーマーの個性が融合した、唯一無二のサイトスペシフィック・パフォーマンスをお楽しみください。

 

出演:谷口界、ハチロウ、ERi、小辻太一、NAOKO TOZAWA、NANOI、他

協力:世田谷パブリックシアター、早稲田大学

 


音楽

 

  • Rhizottome『庭師の夢』
    21302230 / エスパス・イマージュ

フランスのミュージック・デュオRhizottome と、琴奏者の今西玲子とヴィジュアルアーティストの仙石明人によるヴィジュアル・ライブコンサート。

「Rhizottome(リゾットメ)」(古いフランス語名詞で根を切る漢方医の意)はアーメル(アコーディオン)とマチュー(ソプラニーノ・サクスフォン)によるデュオ。フランスの伝統的な民族音楽のテーマを、即興や様々な手法を取り入れながら新しい解釈で再構成している。

 

協力:ヴィラ九条山

 


スペシャル・ディナー

  • ジル・スタッサール&小野田賢三『不在の牡蠣』
    18時、19時、20時、21 / ラ・ブラスリー

    参加料(1時間):2,500円(食事・飲み物付き)

「彼らは時間を遡っているとは夢にも思わなかった。料理、給仕人、他の客たち、すべてがそろい、食事が始まろうとしているようにみえた。長いテーブルを囲んで席についた招待客の中には、自分が過去を辿るタイムマシーンに乗り込んだのだと、一瞬でも考えるものはいなかった。」

 

構想・演出:ジル・スタッサール、小野田賢三
原作:小早川文子

 

メニュー
牡蠣にまつわるミザンブッシュ(一口つまみ)
フォアグラの抹茶風味
卵のムレット風(ブルゴーニュ地方の料理)
スモークサーモンのミ・キュイ
カシスのデザート、コーヒー、レグリス

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