日仏対談シリーズ「ル・ラボ」vol.35:共創と集団的権利 登壇者:ベアトリス・ジョス、エヴァ・ゴンザレス=サンチョ・ボデロ、大坂紘一郎
日仏対談シリーズ「ル・ラボ」vol.35:共創と集団的権利
アートとデザインにおける共創は、人権の限界を押し広げることができるのか?
登壇者:ベアトリス・ジョス、エヴァ・ゴンザレス=サンチョ・ボデロ、大坂紘一郎
日時:2024年6月6日(木)19時〜21時
会場:東京日仏学院|エスパス・イマージュ
使用言語:日本語、フランス語(同時通訳付き)
料金:一般1,000円/学生・アンスティチュ・フランセ会員 無料
※学生・会員チケットをご予約のお客様は、受付にて証明書(会員カード、学生証等)をご提示ください。ご提示いただけない場合は、一般料金を申し受けます。
ご予約:Peatix
ASAKUSA代表、キュレーターの大坂紘一郎が、このほど横須賀市富士見町に設立した「YOKOSUKA」は、キュラトリアル・イニシアティブ「0-eA」が運営するキュレーションの実験のためのレジデンスです。この施設は、あらゆる芸術分野にわたる芸術、キュレーター、研究のコラボレーションと発展の新たなフェーズを支援することを目的としています。
0-eA/YOKOSUKAレジデンスプログラムの一環で、現在、研究協同組合「Idealist Institute」のベアトリス・ジョスとエヴァ・ゴンザレス=サンチョ・ボデロが滞在中です。
ジョスとゴンザレス=サンチョ・ボデロをメンバーとし、プロジェクト毎に変化するこのコレクティブの活動は、アートとデザインにおける共創の法的側面についての考察です。二人の研究は、人間であるか人間以外であるかにかかわらず、共創の問題を提起しています。植物、動物、AIとの相互作用の拡大を、前向きでスペキュラティブに扱うことで、法的手段は進化せざるを得ません。本研究は、先住民の知識やアニミズムの信仰体系に基づいて、知的財産の概念を再検証することを目的とします。その結果生じる著作権は、権利保護のベクトルであると同時に、共創の際に私たちを結びつける相互作用について考えることの障害ともなります。
Idealist Instituteは、ノルウェーとフランスのデザイン・デュオRalston&Bauによって設立された研究協同組合です。https ://www.idealist.institute/manifesto
キュレーター、作家、批評家
ベアトリス・ジョス(Béatrice Josse)
社会問題や環境問題との関連において、ビジュアル・アート、パフォーマンス、執筆を横断する学際的なプログラムを手掛ける。
法学と美術史を学び、そのキャリアをとおして、制度やコレクションをはじめ、キュレーションのあり方について再考している。
フランス・メッスの文化施設「49 Nord 6 Est Frac Lorraine」のディレクターとして、非物質性、パフォーマンス、再評価されるべき作品に焦点を当てた注目すべきコレクションを創始し、国際的に広く紹介された。ジェンダー問題を取り上げたパイオニアとして、女性作家の作品のコレクションに力を入れ、国際的なアーティストのプログラムとともに、地域に根ざしたイベントを支援(フェスティバル、批評家のためのレジデンス、科学や哲学をテーマとする講演会など)。
2016年から2021年まで務めたフランス・グルノーブルの文化施設「MAGASIN des horizons」では、この施設にとってセラピーとなるような、集団的でパフォーマティブで、その土地固有の芸術的実践を紹介した。
現在は、アート/科学/エコロジー/社会をつなぐ、より集団的な実践に焦点を当てた研究を行っている。フランス・ラン高等美術学校(HEAR)にてエコロジーとエコフェミニスムの理論について教鞭を取り、バル・ル・デュックの国立劇場のアソシエート・キュレーターを務めるかたわら、セネガルやケベックでのレジデンスでは民族植物学の研究、特に人間以外の生物との知的所有権の共有におけるアニミズム思想の影響について研究している。
Photo : ©
キュレーター、研究者
エヴァ・ゴンザレス=サンチョ・ボデロ(Eva González-Sancho Bodero)
美術(ブリュッセルERG-School of Graphic Research)とキュラトリアル・スタディーズ(レンヌ第2大学 修士号Métiers de l’Exposition)の2つの学位を持つ。現在、マドリード自治大学(UAM-哲学・人文学部)の博士課程に在籍。
ゴンサレス=サンチョ=ボデロは、オスロ市議会のオスロ文化庁でシニア・コンサルタントおよびキュレーターとして勤務(2014年〜2022年)したほか、MUSAC(スペイン・レオン、2013年)、FRAC Bourgogne(フランス・ディジョン、2003年〜2011年)、Établissement d’en face Projets(ベルギー・ブリュッセル、1998年〜2003年)でディレクターおよびキュレーターを務めた。その他のキュレーション・プロジェクトには、公共空間や公共圏でのアート制作から生じる特定の問題を探求する「osloBIENNALEN FIRST EDITION」の初期段階(2018年〜2019年)、「ロフォーテン国際芸術祭LIAF 2013」、長期コミッション「OSLO PILOT」(2014年〜2017年)などがある。
彼女の主な関心は以下のとおり:芸術制作に必要な、さまざまな貴館の新しいキュレーション的アプローチ。アーティストのための新しい制度モデル。広義の公共空間/圏の性質やその構築を考慮するキュレーターと観客。パブリック・コレクションの作成。特定のリソース、コラボレーション、時間、共同購入の可能性を必要とする芸術制作のための「時間のかかる」プラットフォームの提供(たとえば、映画やビデオ制作の場合、またはパフォーマンス作品や非物質的な作品の場合)。
エヴァ・ゴンザレス=サンチョ・ボデロは、本レジデンス・プログラム参加のため、 Acción Cultural Española (AC/E)よりサポートを受けています。
キュレーター
大坂紘一郎
インディペンデントキュレーター、ライター。1979年生まれ。