展覧会 :『COASTAL MOTIFS(コースタル モチーフス)』 小野 規
日程
2018年11月21日(水)~ 12月21日(金)
11月21日(水)19時00~21時00:アーティストトーク。
21時00~:レセプション
会場
東京日仏学院
入場
無料
アーティストトーク : 1,000円。 学生・会員無料
展覧会
COASTAL MOTIFS (2017-2018) は、フランスのパリとアルルを拠点に活動する写真家、小野規の新作となる写真シリーズである。
小野は2017年夏、フランス政府のアーティスト・イン・レジデンス「ヴィラ九条山(京都)」に滞在し、東日本大震災後、2011-12年にかけて撮影した東北地方の太平洋沿岸を再訪した。岩手・宮城・福島各県の海岸に連なる湾をひとつまたひとつと訪ねていく作者の視界を否応なく占拠するのは、総事業費約1兆円、高さ10メートル以上、総延長400キロメートルにおよぶ建設中の防潮堤である。戦後最大の津波をもたらした自然への日本人からの返答ともいえる巨大な防潮堤を前に、「海に囲まれ育まれてきた日本が海を生活空間から遮断し、視界から抹消しようとしていることに衝撃を感じている」と語る小野の作品は、復興がもたらす未来の日本の風景について複雑な問いを投げかけてくる。
当シリーズは2018年春、京都国際写真祭において初めて発表され、フランスを中心に大きな反響を呼んでいる。
キュレーター: パスカル・ボース
協力 : ヴィラ九条山およびベタンクールシュエーラー財団
本展の開催にあたり、小野規はヴィラ九条山 館長 シャルロット・フーシェ=イシイ氏に、深く感謝の意を表します。
アーティストトーク
「東北の住民は周囲環境の変化をどう捉えるのか」
小野規(写真家) × 廣瀬 俊介(環境デザイナー)
司会 : 仲西祐介 (KYOTOGRAPHIE 共同創設者/共同代表)
時:2018年11月21日(水)19時~21時
会場:東京日仏学院|エスパス・イマージュ
入場料:一般1000円、学生・会員無料
第21回目のル・ラボでは、小野規の写真展「COASTAL MOTIFS」の開幕を記念し、写真家・小野規と環境デザイナー・廣瀬 俊介を迎えます。アプローチの手法さえ異なるものの、東北地方を見つめ続ける両者による対談は、小野規の新しい写真シリーズが問いかける、人間と周囲環境の関係について、より深く考えるきっかけになることでしょう。
ル・ラボに引き続き、オープニングをレセプションを開催します。本レセプションには小野規も参加します。
アーティスト
小野 規
東京都生まれ、信州大学農学部林学科を卒業後、渡仏。自然・都市環境、建築、歴史といった主題への関心から写真を始め、1991年、アルル国立高等写真学院を卒業。以後パリを拠点に、近代の文明のフォルムを独自の視点によって記録・表象する作業を続け、パリ国立図書館、東京国立近代美術館、アルル国際写真フェスティバルなどで作品を発表する。
近年は、2011年東日本大震災後の東北地方沿岸の風景の変化、2013年トルコ、イスタンブール市民による大規模な抗議運動後の都市公園、などをテーマとした作品を制作している。2017年には京都にある「ヴィラ九条山」のレジデント・アーティストに選出され、東北に通いながら滞在制作を行った。2011年より京都造形芸術大学教授、2017年以降はアルル国立高等写真学院教授就任を機に、アルルを拠点に活動している。
環境デザイナー
廣瀬俊介
環境デザイナー (International ASLA)、専門地域調査士 (日本地理学会)、風土形成事務所主宰、東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。2014年3月まで東北芸術工科大学大学院 デザイン工学専攻環境デザイン領域 准教授。日本地理学会会員、東北地理学会会員、日本景観生態学会会員。東日本復旧復興計画支援チームメンバー。主著『風景資本論』。
KYOTOGRAPHIE 共同創設者 / 共同代表
仲西祐介
照明家。1968年生まれ。京都在住。世界中を旅し、記憶に残された光のイメージを光と影で表現している。映画、舞台、コンサート、ファッションショー、インテリアなど様々なフィールドで照明を手がける。アート作品として「eatable lights」「Tamashii」などのライティング・オブジェを制作。また原美術館(東京)、School Gallery(Paris)、「Nuits Blanche」(京都)でライティング・インスタレーションを発表する。