展覧会 : アントニー・ボダン 『えE』
日程
2019年10月10日 (木) ~ 11月3日 (日)
※10月10日19時よりアーティストを囲んだオープニングレセプションあり。
会場
東京日仏学院
入場
無料
アントニー・ボダンは、(ほぼ)徹底して、抽象画、日常性、工業、プリミティフな身振りをつなぐ創作プロセスを採用する。大量生産された日用品を素材として選び、現実世界や日常生活に密接した抽象画を作る。アントニー・ボダンはそれらオブジェの空洞に侵入し、絵の具でそれを満たす。匿名の、そっけない、オブセッショナルで機械的でありながら、人間的で二度と同じことは起こらない、不完全な身振りを遂行する。なぜなら手を使うことで、素材に対する行為の形跡を残しているからだ。
彼の芸術的実践においても、複数枚製作されることが多い作品自体にも、連続性という概念が遍在している。オブジェの元来の機能は否定され、その装飾的可能性が明らかになる。そして装飾とは往々にして過剰や増殖と緊密な関係をもつ。増加や増殖の論理との関係は、ミニマムな身振りの反復や、時空間への最大限の展開のなかにある。作品全体が、大量生産・大量消費社会における一種の反復脅迫と共に共鳴し、合理的な表面の裏にある、その自動性と狂気と眩暈と不条理をあらわにする。
アーティスト
アントニー・ボダン (Anthony Bodin)
造形美術家。1985年生まれ。レンヌ第二大学、ジュネーヴ造形芸術大学(HEAD)、ニースヴィラ・アルソンに学ぶ。フランス・ナントを拠点に活動し、グラフィックデザイナー・コレクティブSuperterrain とFormes Vivesと共にアトリエを設立。現在は東京にて短期レジデンスを行っている。10月5日の京都ニュイ・ブランシュ2019出展作家。