第7回映画批評月間 批評家たちが選ぶ2024-2025ベスト
日程
2026年6月7日(日)〜7月19日(日)
会場
東京日仏学院エスパス・イマージュ
料金
一律1,200円、但しトークショー付きの回のみ1,500円(全席自由/入場はチケット番号順)
Peatixにて2025年5/16(土)正午より発売開始。
日本未公開の注目作や、埋もれた名作と出会い、作り手や各分野の専門家たちと語り合う映画祭「第7回映画批評月間」が、今年も開催されます。
こちらの〈批評家たちが選ぶ2024-2025ベスト〉部門では、2024年から2025年までに製作され、世界的にも評価を得た優れたフランス映画から、日本でなかなか見られる機会のない作品を選りすぐり紹介します。
フランスと日本からゲストを迎えての講演会、ディスカッション、トークショーも開催予定です。映画を観て、語り合い、豊かなひとときを過ごしましょう!
エウレカ Eureka
(フランス、ドイツ、メキシコ、アルゼンチン、ポルトガル/2024年/146分/カラー)
監督:リサンドロ・アロンソ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、キアラ・マストロヤンニ、ラフィ・ピッツ
★第76 回カンヌ国際映画祭カンヌ・プルミエール部門出品
西部開拓時代、現代のサウスダコダ州パインリッジ保留所、1970年代のブラジルのジャングル──三つの南北アメリカ大陸にまたがる複数の時代の先住民のコミュニティの物語。日本では『約束の地』(2014年)が公開されている現代アルゼンチン映画を代表する名匠アロンソがアメリカ西部劇を解体し、きわめて独創的な語りの可能性を探求している。「『エウレカ』は、アメリカ先住民の歴史と現在を通して、人間による暴力や搾取、そして自然破壊をみつめ、新たな映画的地平を切り開いている」オリヴィエ・ペール(アルテ・シネマ)

上映日:
アヴァンチュール L’Aventura
(フランス/2025年/108分/カラー)
監督:ソフィー・ルトゥルヌール
出演:フィリップ・カトリーヌ、ソフィー・ルトゥルヌール、ベレニス・ヴェルネ
★第76 回カンヌ国際映画祭ACID部門出品
イタリアのサルデーニャ島での夏休み、もうすぐ11歳になるクロディーヌは、旅の途中で起きた冒険について話し始める。即興性を感じさせる自由なスタイルの一方で、会話のテンポなどきわめて精密に構成され、ドキュメンタリーとフィクションの境界を軽やかに横断するルトゥルヌールの最新作。
「この映画の力は、その混沌を、集団の法則であると同時に個々人の苦悩として感じさせる点にある。母親の中に静かに積み重なっていく疲労、父親のどこか気まぐれで愛嬌のある逃避、長女の繊細な嫉妬心、末っ子のまっすぐな感情のほとばしり——そうしたすべてが、近くにいすぎることでむしろ互いを際立たせ、関係の生々しさと愛おしさを浮かび上がらせていく」マチュー・マシュレ(『ル・モンド』)

上映日:
6月7日(日) 18:30 *上映後、ソフィー・ルトゥルヌールとのオンライン・ティーチインあり
6月11日(木) 16:00 *上映前にカミーユ・ヌヴェールの紹介あり
マーク・ブラウンとの七つの散策 Sept promenades avec Mark Brown
(フランス/2025年/104分/カラー)
監督:ピエール・クレトン&ヴァンサン・バレ
出演:マーク・ブラウン
★マルセイユ国際映画祭出品
在来植物を探す植物学者マーク・ブラウンとともに、エジエから彼の暮らす土地サント=マルグリット=シュル=メールへ、セーヌ川の谷から、ノルマンディーのコー地方の海岸線に沿って七つの散策を重ねながら、植物たちが撮影されていく——やがて「花々の夜明け」に原生林を再現するという壮大で奇想天外なプロジェクトが見えてくる。「七つの散策は、それぞれが生命のスペクトルを離れて存在する点同士の出会いとなっており、私たちの起源とは何かという問いを静かに呼び起こしていく」オリヴィア・クペール=アジャーン(『カイエ・デュ・シネマ』)

上映日:
6月10日(水) 18:45 *上映前にカミーユ・ヌヴェールによる作品紹介あり
風のままに、ローラン Laurent dans le vent
(フランス/2025年/110分/カラー)
監督:アントン・バレクジョン、レオ・クチュール、マテオ・ウスタション
出演:バティスト・ペルザ、ベアトリス・ダル、ジャニス・ボウジャーニ
★第76 回カンヌ国際映画祭ACID部門出品
29歳のローランは人生に意味を見いだせないまま、仕事も住まいもない状態でシーズンオフの人影のないスキーリゾートにたどり着く。そこで出会うわずかな住人たちの生活に入り込み、次第にその場にとどまっていく。やがて冬とともに観光客が戻っても、彼はそこから離れられなくなってしまう。「この作品は、自由な映画そのものの息づかいを持ち、自らのリズムで立ち止まり、彷徨いながら展開する。ときに実存的な謎として、ときに饒舌で戯れに満ちた物語として姿を変え、アラン・ギロディやエリック・ロメールを想起させる瞬間を織り込みながら進んでいく」ジェローム・ジェステ(「ラ・セプティエム・オブセッション」)

上映日:
6月11日(木) 19:00 *上映前にカミーユ・ヌヴェールによる作品紹介あり
メクトーブ, マイ・ラブ:第2章 Mektoub my love : canto due
(フランス/2025年/139分/カラー)
監督:アブデラティフ・ケシッシュ
出演:シャイン・ブメディン、オフェリー・ボー、アフシア・エルジ、ジェシカ・ペニントン
★第回ロカルノ国際映画祭出品
パリでの学業を終えたアミンは、映画の夢を胸に南仏セートへ帰郷。休暇中のアメリカ人プロデューサーが偶然彼の企画『存在の普遍的原理』に興味を持ち、著名な女優で妻のジェスを主演にと望む。だが、思い通りには進まず、運命は思わぬ展開をもたらす。
「撮影開始からおよそ10年を経て、映画作家の“呪われた三部作”の新作がついに公開される。終わらない夏を引き延ばすかのように、スキャンダルへの不穏な応答として、登場人物たちに黄昏のラストダンスが与えられる」サンドラ・オナナ(「リベラシオン」)

上映日:
ガール・イン・ザ・スノウ L’Engloutie
(フランス/2025年/98分/カラー)
監督:ルイーズ・エモン
出演:ガラテア・ベルージ、マチュー・ルッチ、サミュエル・キルヒャー
★第76 回カンヌ国際映画祭監督週間出品
1899年。雪に閉ざされた山奥の村に、若き教師エメーが赴任する。外の世界から切り離されたこの地で、彼女は古い慣習に揺さぶられながらも、子どもたちに新しい世界を伝えようとする。しかし同時に、彼女自身の内側で静かに目覚めていく欲望にも気づき始める――。自然光のみで撮影され、木々の軋みや暖炉の熾火の爆ぜる音に満ちたルイーズ・エモンの長編デビュー作。「本作は、「魔女」という存在が最初からあるのではなく、そう見なされることで生まれていく過程を描く。いくつもの兆しや偶然、不安が積み重なり、やがて共同体の語りがひとつの像をかたちづくっていく」リュドヴィック・ベオ(「レザンロキュプティーブル」)

上映日:
6月12日(金) 18:30 *上映後、シンポジウム「映画批評におけるフェミニズムの未来とは?」開催 ゲスト:カミーユ・ヌヴェール、月永理絵
イエス Oui
(フランス、イスラエル、キプロス、ドイツ / 2025年/ 150分/ カラー)
監督:ナダヴ・ラピド
★第78回カンヌ国際映画祭監督週間
2023年10月7日の襲撃後、売れない音楽家Yは、生計のためにガザ殲滅を煽る愛国歌の作曲依頼を引き受ける。だがその選択は、芸術家としての良心を激しく揺さぶり、妻ジャスミンとの関係にも影を落とす。『シノニムズ』『アヘドの膝』に続き、国家の同一性をめぐる問いをさらに苛烈に突きつけるラピドは、現代が抱える倫理的葛藤を、個人の証言として鋭く描き出す。「これほど激しい怒りに満ちた映画は、手加減しては成立しない。ラピドはあえて過剰でグロテスクな表現に踏み込み、狂騒的な宴の描写を通して、現実の核心へと迫っていく」マルコス・ウザル(『カイエ・デュ・シネマ』)

上映日:
6月20日(土) 17:00 *上映後、ナダヴ・ラピドとのオンライントークショーあり


