フレンチ・アニメーションの夕べ “ひろしまアニメーションシーズン2024”をふりかえって
日本を代表するアニメーションの祭典「ひろしまアニメーションシーズン」と提携し、日仏アニメーションの最高峰を紹介する特別な夕べを開催します。このイベントでは、ひろしまアニメーションシーズン2024の長編コンペティションでグランプリを受賞し、2023年6月に開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞を受賞した、ブノワ・シユー監督の『シロッコと風の王国』を上映します。この作品に先立ち、ひろしまアニメーションシーズン2024の短編コンペティションに出品された日仏加合作による折笠良監督の壮大な短編『みじめな奇蹟』(ドニ・ラヴァンがナレーションを担当したフランス語版)を上映します。上映前後には、折笠良監督と映画祭プロデューサー、ニューディアー代表の土居伸彰氏をお迎えしたトークショーを開催します。
このイベントは、ユニフランスが主催するMyFrenchAnimationDays(MyFAD)とアンスティチュ・フランセが主催する「アニメーション月間」の一環として開催されます。
【プログラム】
18:30 ひろしまアニメーションシーズン2024報告&上映作品紹介 (登壇者:土居伸彰)
19:00 上映 『みじめな奇蹟』、『シロッコと風の王国』
20:30 折笠良監督とのティーチイン
【上映作品】
シロッコと風の王国
(2023年/フランス=ベルギー/80分)
監督:ブノワ・シュー
勇敢な姉妹、ジュリエット(4歳)とカルメン(8歳)は、大好きな絵本『風の王国』の世界に通じる通路を発見する。猫に変身し、互いに離れ離れになってしまった少女たちは、大胆かつ果敢にお互いの元へ、そして歌手のセルマの助けを借りて、風と嵐の支配者シロッコに立ち向かい、現実の世界へ戻る道を探さなければならない…。しかし、彼は彼女たちらが恐れているほど恐ろしい人物なのだろうか?
みじめな奇蹟
(2023年/フランス=日本=カナダ/8分13秒)
監督:折笠良
アンリ・ミショーがメスカリン体験を綴った詩とドローイングにインスパイアされた『みじめな奇蹟』は、言語と知覚の限界を探求し、音、意味、形、動きのつながりを創り出す。今回はドニ・ラヴァンがナレーションを担当したフランス語版を上映。
映画監督
折笠良
1986年生まれ。茨城大学教育学部、イメージフォーラム映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で学ぶ。2015年9月-2016年8月、文化庁新進芸術家海外研修員としてモントリオールに滞在。2018年、NEFアニメーションのレジデンスプログラムに選ばれフランスフォントヴローに滞在。2020年、公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けてパリに滞在。 2023年、MIYUプロダクション(フランス)カナダ国立映画制作庁(カナダ)、NEW DEER(日本)の共同製作で、アンリ・ミショーによる メスカリン体験を描いた同名の詩画集をもとにアニメーション作品『みじめな奇蹟』を制作。
株式会社ニューディアー代表、ひろしまアニメーションシーズン(ひろしま国際平和文化祭 メディア芸術部門)プロデューサー
土居伸彰
1981年東京生まれ。アニメーションに関する研究、執筆、配給、イベント企画運営、プロデュースおよび制作に携わる。国際アニメーション映画祭での日本アニメーション特集キュレーターや審査員経験多数。著書に『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』、『21世紀のアニメーションがわかる本』(いずれもフィルムアート社)、『私たちにはわかってる。アニメーションが世界で最も重要だって』(青土社)、『新海誠 国民的アニメ作家の誕生』(集英社新書、2022年10月発売)。