ルイーズ・ミュトレル講演会

九州日仏学館は、ヴィラ九条山のレジデントであるルイーズ・ミュトレル氏をお招きし、九州産業大学と共催で講演会を行います。

彼女のプロジェクトや作品、またヴィラ九条山での活動などをお話いただきます。

若き芸術家の魅力に触れ、インスピレーションを得てください。

*日本語通訳付きの講演会

*会場の九州産業大学へのアクセスはこちらをご覧ください。

ルイーズ・ミュトレル

1992年生まれのルイーズ・ミュトレルはパリ郊外ボビニーのアーティスト集団《Le Wonder／ル・ワンダー》のメンバー 。

2017年には、1年間、日本に住むために出かけ、この経験は彼女の仕事に大きな影響を与えることになりました。フランスのアルルに戻ったあと、リソグラフ印刷とアーティスト・イン・レジデンスのための施設を共同で設立。ルイーズ・ミュトレルの写真の仕事はその土地特有のイメージや様々なサブカルチャーに由来する大衆文化のアイコンと結びついたもので、それを手仕事による微妙な印刷技術と組み合わせています。2019年以降、ルイーズ・ミュトレルは《デコトラ》のチューニング（改造）の世界を巡り、日本において視覚的かつ物語風なリサーチを続けています。

Dekotokami／デコトカミ

《デコトカミ》は2018年に日本で開始された写真プロジェクト。そこで取り上げられているのは歴的、民俗学や大衆文化からの引用を取り交ぜた美意識を備えた日本のトラック《デコトラ》のクルージングの世界。1990年代には公道から締め出されたデコトラのドライバーたちは、今ではSNSを通して再結集しています。2019年から2022年にかけて、ルイーズ・ミュトレルは日本全国でデコトラ好きの人たちや彼らが主催する大型イベントを訪ね歩くことを始めました。2022年7月から8月にかけては、東京、輪島、大阪や奈良でのイベントに参加し、既成の枠の外にある日本を記録し、ノマドなコミュニティとの対話を始めました。

現在、ルイーズ・ミュトレルが望んでいるのは、こうした初期の経験を深化させるとともに多様化させ、出版社RNVPとのコラボレーションで出版物を制作すること。この出版物は3章から構成され、異なった印刷技法（シルクスクリーン、リソグラフ印刷、オフセットなど）が組み合わせられます。そして、京都のマツヤマ・ユースケのガレージ、大阪の人工島・舞洲で改造バイクに跨る旧車會の女性メンバーたち、沖縄の《アメリカンビレッジ》の駐車場などがリサーチ・プログラムの骨子となります。旧車會レディーズはフリー走行やエンジンの爆音を楽しむ日本の女性バイカーで、今後のリサーチの重要な対象となります。こうしたグループとのコンタクトにより、ルイーズ・ミュトレルは彼らの自動車を巡る儀式、身体とマシンの関係性や飽くことなく空間を追い求める彼らの記録となる画像とテキストを制作することになります。

共催：

九州産業大学　芸術学部 写真・映像メディア学科

ヴィラ九条山

Crédits photos :
– Portrait: Julie Hrncirova
FRACB-2021-Louise-Mutrel-033 : Aurélien Mole