第5回 日本の学生が選ぶゴンクール賞
日本の学生が選ぶゴンクール賞
学生が選ぶゴンクール賞は、世界50近くの国や地域で展開され、フランス文学界最高峰の文学賞である「ゴンクール賞」に基づく国際的な読書プロジェクトです。日本では2021年より、公益財団法人 日仏文化交流協会の主催、在日フランス大使館の支援のもと開催されています。
毎年、全国5地域の学生たち約60名がフランス語学習者として審査員会に参加し、大学教員のサポートのもと、半年間かけてゴンクール賞第二次選考の8作品のうち4作品を読み、討議を重ねた上で、受賞作を選出します。
2026年の受賞作
2026年3月26日、東京日仏学院にて、全国5地域の代表10名による最終選考が行われ、4作品の中から受賞作が選ばれました。
この「第5回 日本の学生が選ぶゴンクール賞」の後見人作家である日本の作家湊かなえ氏が受賞作を発表し、駐日フランス大使もご臨席くださいました。フランス人後見人作家であり前年度受賞者のガエル・ファイユ氏からは、特別ビデオメッセージが届けられました。
第5回受賞作(2025-2026)

ナターシャ・アパナ(Nathacha APPANAH)
『La nuit au cœur』(Gallimard, 2025)
受賞作の抜粋朗読に続き、学生審査員たちはその選出理由を次のように語りました。
ナターシャ・アパナの『La nuit au cœur』は自伝的側面を持った小説です。女性に対する暴力とフェミニサイド、殺人に関する3つの物語からなっています。感覚描写に優れ、臨場感あふれる文体によって、生者と死者のあいだに時間を越えた交流が描かれ、記憶のふたがこじ開けられます。こうして、男女間の目に見えない支配関係をめぐる女性たちの物語がらせん状に立ち上がります。声を奪われた女性たちに声を与えるこの作品は、女性への暴力という現代的なテーマによって、今読まれるべき作品であるというのが、選考の理由です。
その他の候補作品
- ポール・ガスニエ(Paul GASNIER)『La collision』(Gallimard)
- カロリーヌ・ラマルシュ(Caroline LAMARCHE)『Le bel obscur』(Seuil)
- ローラン・モーヴィニエ(Laurent MAUVIGNIER)『La maison vide』(Minuit)
2026年の新しい取り組み
今年度は、関西日仏学館が1月24日に、選出された四作品を題材としたワークショップを開催しました。高校生、大学生、教員たちやフランス語学習者が、フランス語で分析や意見交換を行う、対話型で温かな学びの場となりました。
さらに東京日仏学院と関西日仏学館では、春学期に四作品をテーマとした特別講座を実施予定です。参加者は作品を深く読み解き、議論を通して自らの選考を行うことができます。
参加方法
「日本の学生が選ぶゴンクール賞」は、大学や学生の参加を歓迎しています。審査員会や関連イベントに参加することで、フランス語文学の理解を深め、翻訳や出版を通じて日本でのフランス語文学の普及に貢献できます。
過去の受賞作