第3回「デジタル・ショック」 - マシンが夢見るとき
デジタル・カルチャー、新映像の分野におけるフランスの創造性にスポットをあてたフェスティバル、第3回「デジタル・ショック」を2014年2月に開催します。今年度は、私達に夢を与え、クリエーションの分野においても次第に多くの部分を占めるようになった”インテリジェント・マシン”をテーマに様々な作品をご紹介します。第3回を迎える今年は、より進化した質の高いフェスティバルを目指し、日本全国のフランス文化機関のネットワークを介し、さらに規模を拡大して開催の予定です。
20世紀の機械の到来は、来たるべき時代への幻想と憧憬と同様に恐れを生み出しました。今日でも人工知能を持つロボットの進化は、様々な分野に画期的な前進をもたらすと考えられている一方で、先代からの恐怖、新しく芽生える不安もぬぐえません。これはある意味現代アートの分野にも言えることで、デジタルを取り入れたアート作品はそれだけである種の警戒心を抱かせるものでしたが、近年になって遅まきながら評価されるようになりました。いずれにせよ、デジタルアートの占める位置と正当性を巡っては常に議論がなされるところです。
マシンはこれまで長い間、“奴隷 ”のように人間に使われる存在でしたが、次第に自律性を高め、場合によっては人間から逃れる能力をも持つようになりました。テクノロジー、エレクトロニック、コンピューターを使ったアート制作の現場においても、マシンの請け負う役割は重要性を増すばかりです。
これまでマシンは私達に夢を与えてくれました。今度はマシン自身が夢を見る日が来るのでしょうか? その夢を、私達は知ることができるのでしょうか? その時マシンは私達に何と言うのでしょうか?
開催期間中、アンスティチュ・フランセ東京の中庭は夢見るマシンを題材としたアート空間へ、ギャラリーは人間と機械が入り混じる幻想的な異空間へと生まれ変わります。その他、ビデオアート展示や多くのアーティストを迎える討論会を通し、未来の私達とマシンとの関係に夢を馳せてみたいと思います。