横浜フランス映画祭2025関連企画 レティシア・ドッシュを迎えて

横浜フランス映画祭2025にて監督・主演作『犬の裁判』が上映される女優で映画監督、舞台演出家、ダンサーのレティシア・ドッシュをお迎えし、トークショーを行います。その多彩な活動の原点、インスピレーションについて、またクリエーションにおける現在の女性の立場についてご意見をお聞きします。トークに先だち、レティシア・ドッシュが主演し、リュミエール賞最有望女優賞を受賞した『若い女』を特別上映します。
上映作品紹介
若い女
2017年/フランス/97分/カラー/DCP
監督:レオノール・セライユ
出演:レティシア・ドッシュ、グレゴワール・モンサンジョン、ナタリー・リシャール
配給:サンリスフィルム
30年代の女性ポーラは、著名カメラマンの恋人とメキシコから久しぶりにパリに戻るも、その彼と喧嘩をしてアパートメントを追い出され、友人たちからも見放され、仕事もなく、一文無しのまま猫を抱えて路頭に迷う。人も街もよそよそいく、絶望しかかった時に、ある偶然の間違いから、周囲の世界との接点を見出していく。
新人女性監督レオノール・セライユのカンヌ国際映画祭カメラドール2017年(新人賞)受賞作品。冒頭からレティシア・ドッシュが文字通り体当たりで、世界と対峙していくその様からとにかく目が離せない
「ポーラはその中心を失うが、それは完全に周辺に追いやられるのではなく、新たな冒険の始まりを意味している。ポーラの道程に寄り添う夢想的フリー・ジャズの調べのように、この世にあらかじめ定められたものはなく、すべてはこれから作られていくのだ。」(ステファン・デュ・メスニルド、「カイエ・デュ・シネマ」)
監督・女優
レティシア・ドッシュ

1980年フランス生まれ。俳優、ダンサー、作家、演劇監督。パリの演劇学校を経て、スイス・ローザンヌの舞台芸術高等教育学校にて学ぶ。主な出演作に、ジュスティーヌ・トリエ監督『ソルフェリーノの戦い』(2012)、ギヨーム・セネズ監督『パパは奮闘中!』(2014)、マイウェン監督『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』(2014)、クリストフ・オノレ監督“Les Malheures de Sophie(原題)”(2015)、カトリーヌ・コルシニ監督『美しい季節』(2015)、アントニー・コルディエ監督『ギャスパール、結婚式へ行く』(2017)など。ダニエル・アービッド監督『シンプルな情熱』(2020)では主人公のエレーヌ役を好演。最近作は、ジュスト・フィリッポ監督『ACIDE/アシッド』(2024)、ティエリー・クリファ監督“Les Rois de la Piste”(2024)、アルノー&ジャン=マリー・ラリュー監督“Le Roman de Jim”(2024)など。演劇界では馬と共演する舞台『Hâte』が話題を呼び、ラジオではエコロジー番組『Radio Arbres』の制作を行い、マルチアーティストとしてフランスで現在、最も注目されるひとり。
初監督作品『犬の裁判』は5月下旬、シネスイッチ銀座・UPLINK吉祥寺他にて全国順次公開。

公開作品のご紹介
犬の裁判

(2023年/フランス=スイス/83分/カラー)
監督:レティシア・ドッシュ
出演:レティシア・ドッシュ、フランソワ・ダミアン、アンヌ・ドルヴィル、ジャン・パスカル・ザディ
負け裁判ばかりで事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルは、次の事件では必ず勝利を勝ち取ろうと決意する。そんなときある男から、かけがえのない伴侶で絶望的な状況にある犬コスモスの弁護を依頼される。アヴリルはどうしても見過ごせず、またも勝ち目のない犬を弁護するという不条理に飛び込んでしまう。犬の命がかかった裁判が、にぎやかにときにコミカルに展開する。人間と動物との関係に疑問を投げかける、実話に基づいた傑作法廷コメディ
第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、同映画祭パルム・ドッグ賞受賞。
会期:2025年3月20日(木・祝)~23日(日)
会場:横浜みなとみらい21地区