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映画

ジャンヌ・モロー  自由な女性たちの肖像

ジャンヌ・モロー  自由な女性たちの肖像

日程

2025年 1/10(金)・1/11(土)・1/12(日)・1/17(金)・1/18(土)・1/19(日)

詳しいスケジュールはフライヤーをご覧ください。

会場

東京日仏学院エスパス・イマージュ

料金

一律1,100円 (但し、映画のアトリエは一律1,500円)。チケットは12/20(金)正午よりPeatixにて発売。

美しく、力強い眼差しと一度聞けば決して忘れることのできない声の持ち主であり、ヌーヴェルヴァーグからブニュエル、オーソン・ウェルズ、ファスビンダー、オリヴェイラまで、70年もの間 、現代映画を牽引する監督たちのミューズであり続けた偉大な女優ジャンヌ・モロー。彼女の映画への情熱と好奇心に満ちた創造力は、「映画監督」としても発揮されていました。70年代から80年代にかけて作られた、女性(たち)をめぐる素晴らしい3本に、クリント・イーストウッドのインタビューを特別に加えたジャンヌ・モローの監督作品を紹介します。また女優としての多才な魅力を堪能できる出演作もあわせて上映することで、女優と映画作家との間を往来しながら映画を果敢に変革していったアーティスト、ジャンヌ・モローの軌跡を辿ります。

 

【ジャンヌ・モロー監督作品 】


リュミエール  Lumière

(1976/フランス/102分/カラー/デジタル)
監督・脚本:ジャンヌ・モロー
出演:ジャンヌ・モロー、ルチア・ボゼー、フランシーヌ・ラセット、キャロリーヌ・カルティエ、ブルーノ・ガンツ
サラ、ラウラ、ジュリエンヌ、キャロリーヌ。4人の「女優」たちの欲望、葛藤、そして連帯が鮮やかに描かれる監督第一作。モローが主演。タンゴを革新した作曲家アストル・ピアソラが音楽を担当。「モローの初監督作の主題は、女性の自由と、それを獲得し維持するための、苛酷さである。それは優しさをもって表現されるが、容赦のない用心深さによって勝ち取られ、維持されたものだ」(ニューヨーカー)。

 

思春期  L’Adolescente

(1979フランス//94分/カラー/デジタル)
監督・脚本:ジャンヌ・モロー
出演:レティシア・ショヴォー、シモーヌ・シニョレ、フランシス・ユステール、ジャック・ヴェベール、エディット・クレヴェール

戦争の影が迫る1939年。フランス中部の村で12歳のマリーが母、祖母と共に過ごした。マリーは村にやってきた若き医師に恋をするがーー。「この映画では子供から女性への不安定な通過点、意識が目覚める瞬間、大人の言葉が暗号のように見えるのではなく、明確になる瞬間を描きたい」(ジャンヌ・モロー 同作企画書より)。

 

リリアン・ギッシュの肖像 Lilian Gish

(1983/フランス/59分/カラー・モノクロ/デジタル)

監督・脚本:ジャンヌ・モロー
出演:リリアン・ギッシュ、ジャンヌ・モロー

1983年の夏、ニューヨーク。サイレント映画期から活躍し、ハリウッドの頂点を極めた偉大な女優リリアン・ギッシュとの邂逅。「歴史的女優」との対話から、その生涯と映画への情熱に迫る至高のドキュメンタリー。「リリアン・ギッシュは私に、偉大な女優であることだけが重要なのではなく、偉大な人間であることも同じくらい重要なのだと気づかせてくれた。リリアンはまさにその両方を兼ね備えている」( ジャンヌ・モロー)

 

クリント・イーストウッドとの対話  Entretien avec Clint Eastwood

(1994/フランス/22分/カラー/デジタル)
監督:ジャンヌ・モロー
出演:ジャンヌ・モロー、クリント・イーストウッド
1994年カンヌ国際映画祭の審査員長クリント・イーストウッドにインタビューすべく画策するジャンヌ・モロー。俳優であるとともに監督であるふたりは、互いに敬愛の念を示し、お互いの映画の中の曲を口ずさんだりしながら映画における音楽の重要性について語り合う。貴重なドキュメンタリーを日本語字幕付で初上映。

 

【ジャンヌ・モロー出演作 】


死刑台のエレベーター Ascensuer pour l’echaud

フランス/1958年/92分/モノクロ/デジタル
監督:ルイ・マル
出演:ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、ジョルジュ・プージュリ、リノ・ヴァンチュラ、ジャン=クロード・ブリアリ

ジュリアンは社長夫人のフロランスとの不倫の果てに、夫を自殺に見せかけて殺害。完全犯罪を成し遂げたかに思えたところ、エレベーター内に閉じこめられてしまう。ルイ・マル監督が弱冠25歳で手掛けた犯罪サスペンスの傑作。マイルス・デイヴィスの即興セッションが流れる中、連絡の取れない愛人を探して、愛情と疑いを胸に夜のパリをさまようモローの姿は美しく、あてどなく街を彷徨する現代的女性として、多くの映画人、映画ファンの記憶に刻まれる。

 

天使の入江 La Baie des Anges

1963年/フランス/85分/モノクロ/35mm
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
出演:ジャンヌ・モロー、クロード・マン、ポール・ゲール
パリの銀行員ジャックは同僚の影響でギャンブルに染まり、厳格な父から勘当され、ニースへ。通称”天使の入江”のカジノに通い、ある日いわくありげなブロンドの美女ジャッキーと出会う。ギャンブルに魅せられた男女の、エレガントでデカダンな夏の逃避行を描く愛のドラマ。南仏のひとけのない海岸、アイリスから広がるジャンヌ・モローの姿、それはミシェル・ルグランのテーマ曲を従えながら、永遠に続くキャメラの後退運動によってやがて路上のうちに消え去る。

 

不滅の物語 Une histoire immortelle

1968年/フランス/58 分/カラー/デジタル
監督:オーソン・ウェルズ
出演: ジャンヌ・モロー、オーソン・ウェルズ、ロジェ・コッジオ, ノーマン・エシュリー
盟友ジャンヌ・モローを迎え、「バベットの晩餐会」で有名なデンマーク出身の女性小説家イサク・ディーネセンの短編を映像化したオーソン・ウェルズの完成された長編としては最後期の作品。マカオの裕福な商人クレイは架空の物語を自分のものにしようとし、若い女ヴィルジニーが選ばれる……。マドリッドにあるウェルズの自宅とその近郊で撮られていて、音楽にはエリックサティの楽曲が用いられている。


ケレル Querelle

1985分/西ドイツ=フランス/108分/カラー/デジタル
監督: ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
出演: ブラッド・デイヴィス, フランコ・ネロ, ジャンヌ・モロー, ローラン・マレ

ジャン・ジュネの『ブレストの乱暴者』を映画化したR・W・ファスビンダー監督の遺作となったドラマ。大西洋に面した街・ブレストを舞台に、若くたくましい水兵・ケレルを巡って巻き起こる男たちの性と暴力に満ちた愛憎を描く。娼館の女将を演じる華麗なるモローと美しい歌声がそのカオスの中で決然として存在している。

 

奇跡にあずかった男 Le Miraculé

フランス/1986年/87分/カラー/デジタル

監督:ジャン=ピエール・モッキー
出演:ミシェル・セロー、ジャンヌ・モロー、ジャン・ポワレ

非合法すれすれでなんとか暮らす気ままなパピュは、、保険金欲しさに事故で足が麻痺したと偽り、献身的な元娼婦のサビーヌを引き連れてルルドへと偽の治癒旅行に出発するが……。社会風刺、反聖職者主義的劇画を超えて、不条理で詩的なアイディアで溢れる驚くほど豪快な本作は、種多様な人々を鮮やかに浮かび上がらせており、その中でモローはコメディエンヌとしての才能をいかんなく発揮している。

 

  • 『リュミエール』 LUMIÈRE © 1976 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

  • 『思春期』 L’ADOLESCENTE © 1979 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

  • 『リリアン・ギッシュの肖像』 LILLIAN GISH © 1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

  • ©1958 Nouvelles Editions de Films

  • ©MK2

  • ©Gaumont

    1月12(日)16:00〜17:30

    映画のアトリエ 「ジャンヌ・モロー 反逆のスター」

    講師:坂本安美
    ジャンヌ・モローはなぜキャメラを手にし、初の長編映画を撮ろうと思ったのでしょうか?しかも1970年代という、女優にとって前代未聞の時代に。それは自由への渇望、矛盾への嗜好、そして何よりも、満たされるに違いないほどの強い希求からでした。貴重なドキュメンタリー映像や、作品の抜粋をまじえてその軌跡をたどりながら、女性として、女優として、映画作家として、ジャンヌ・モローのその類まれなる魅力、才能に迫ります。

    アンスティチュ・フランセ日本映画プログラム主任

    坂本安美

    東京都市出身。『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』誌元編集委員。1996年より東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ)にて映画プログラム主任を担当し、さまざまな映画上映の企画・運営を手がける。ロカルノ国際映画祭Opera Prima(新人部門)、カンヌ国際映画祭「批評家週間短編作品部門」、東京フィルメックス映画祭などで審査員を務める。著書は『エドワード・ヤン 再考/再見』、『そして映画館はつづく』(共著、フィルムアート社)、『サッシャ・ギトリ 都市・演劇・映画 増補新版』(梅本洋一著/坂本安美編、ソリレス書店)などがある。


    「ジャンヌ・モロー、自由な女たちの肖像」
    主催・会場:東京日仏学院
    助成:CNC
    協力:カルロッタ・フィルム、エスパース・サロウ、ゴーモン、アイ・ヴィー・シー、キングレコード、MK2, プンクテ、タマサ・ディストリビューション、ザジ・フィルムズ。

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