第8回「哲学の夕べ」 オンライン・エディション:植物の生
第8回「哲学の夕べ」 オンライン・エディション
「植物の生」
エマヌエーレ・コッチャへのインタビュー
星野太(哲学者)× 山本渉(写真家)による対談
第8回「哲学の夕べ」は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を鑑み、アンスティチュ・フランセ東京で予定していたプログラムを変更し、今年のテーマ「植物の生」の発端となった、哲学者エマヌエーレ・コッチャによる著作『植物の生の哲学』や、コッチャの哲学に関連したトークイベントをオンラインで開催いたします。
エマヌエーレ・コッチャ著『植物の生の哲学』は、哲学がほとんど扱ってこなかった世界を探求しています。生命や世界の新しい概念を本書は私たちに提示します。植物によって世界は可能なものとなり、可能であり続けているのです。そして世界はその息吹で構成されています。この考察は、世界がいま直面している環境問題や保健衛生危機の只中において、その意味をより一層増しています。この世界を構成しているあらゆる形態の生との関係性の中にある私たちの生を、理解する手立てとなります。
トークの前半はエマヌエーレ・コッチャが、本書についての紹介と哲学者・星野太からの三つの質問に答えます。後半は星野太と写真家・山本渉が、コッチャの思想やアートとの接点について対談します。
哲学者
エマヌエーレ・コッチャ
エマヌエーレ・コッチャはパリの社会科学高等研究院(EHESS)准教授。これまでに東京大学、ブエノスアイレス大学、デュッセルドルフ大学、ワイマール・バウハウス大学、ミュンヘン大学にて客員教授、さらにニューヨークのコロンビア大学イタリアン・アカデミーにて研究員を務める。著作に『La vie sensible』(2010年)、『Le Bien dans les choses』(2013年)、『La vie des plantes』(2016年)、『Métamorphoses』(2020年、いずれもPayot et Rivages社刊)などがあり、数多くの言語に翻訳されている。『La vie des plantes』については邦訳『植物の生の哲学』が2019年8月、勁草書房より出版された。また2019年にカルティエ現代美術財団で開催された『Nous les Arbres』展では学術顧問を担当している。
哲学者
星野太(ほしの ふとし)
1983年生まれ。美学、表象文化論。早稲田大学社会科学総合学術院専任講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。著書に『崇高の修辞学』(月曜社、2017年)、共著に『コンテンポラリー・アート・セオリー』(イオスアートブックス、2013年)、共訳書にカンタン・メイヤスー『有限性の後で』(千葉雅也・大橋完太郎との共訳、人文書院、2016年)など。
アーティスト
山本渉(やまもと わたる)
写真家、アーティスト。1986年、栃木県生まれ。2011年、 キヤノン写真新世紀2011 佳作受賞。2013年、多摩美術大学大学院博士前期課程修了。人間の精神的なイメージとしての”自然”の記録を試みる。また映像を自然現象として捉え、写真と植物との交点を見出す。
主な展示:「線を引く」(photographers’ gallery & KULA PHOTO GALLERY、2013年)、「欲望の形 -器の濃き影-」(NADiff Gallery、2014年)、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO(上野公園)2017年)、「欲望の形/Desired Forms (2012-2017)」(Yumiko Chiba Associates、2018年)ほか。
作品集:『線を引く Drawing a Line』(MCV MCV、2012年)、『欲望の形-器の濃き影』(Yumiko Chiba Associates、2014年)